「お好み焼き店ではないけんね」
柏島は交通の便からいうと足摺岬以上に遠い四国の果てである。昔から全国的に有名なダイビングスポットであるが、ある意味、都会からの時間的距離は沖縄よりも遠いので、まだまだ荒らされていない自然が多い。
30年も一人で切り盛りしている店主のきみさんによれば「お好みきみ」は決してお好み焼き屋ではなく、「女将さんのきみさんが営んでいるきみさんのお好みの料理が食べられる料理店(笑)」である。しかしメニューにはお好み焼きもある(笑)。
地元の常連さんに9時半からあいていると聞いていたので、その時間に来て見ると店は開店しているが呼んでも誰も出てこない。良く見ると椅子に張り紙で「電話くれると4分で戻ります」と携帯電話番号が書いている。かけてみると「今、裏山に墓参りに来ているのでそのまま小1時間ほど待っていてくれ。」とのことであった。最初の4分というなまじ正確な時間指定はなんなんね(笑)。しかもそれからそこで1時間、一人で店番をするはめになった。初見の客なのに知らない店で「墓参りでいません」と近所の人への応対である(笑)。
息せき切って帰ってきたきみおばちゃんは、お礼代わりに「お彼岸なので」とお供え用に作ったおはぎをくれた。これがまた抜群に美味しい。売り物にしても良いくらいである(笑)。
さて、お奨めのトコロテンは素麺の鉢になみなみと出てくる。もちろんおなじみの土佐のところてん、出汁は酢醤油でも黒蜜でもなく、かつお出汁であるので量もあいまって軽食と言うよりももう立派な麺類である(笑)。
ちなみに数日前に予約をしたお客さんのみの受付けで夜の部もやっていて地元の魚も食べられる。先日「四国酒蔵88所委員会」の会議が天候悪変で急遽その場のありあわせで手料理を造ってもらった際も、高知の食通の酒蔵当主が土佐では定番のお通しであるはずのちゃんばら貝を一口食べて感動していたぞ。決してお好み焼き屋ではない隠れた料理店である。しかしやっぱりメニューにはお好み焼きもあるぞ(笑)。
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「柏島は陸続きの楽園。おそらく人口よりも猿の数の方が多い(笑)。筏で養殖しているのはマグロである。」
柏島は陸続きの楽園。おそらく人口よりも猿の数の方が多い(笑)。筏で養殖しているのはマグロである。
「横丁のお好み焼き屋に見える。」
横丁のお好み焼き屋に見える。
「これで鉄板があればやっぱりお好み焼き屋である。」
これで鉄板があればやっぱりお好み焼き屋である。
「すっごくシュールなメニュー表示。」
すっごくシュールなメニュー表示。
「ところてん 350円 注意すべきは鉢は一般的な小鉢ではなく素麺鉢である。よって量はラーメン大。」
ところてん 350円 注意すべきは鉢は一般的な小鉢ではなく素麺鉢である。よって量はラーメン大。
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