「おなじみさん優先」
どうやら「タイムランチ」と聞いて違和感を覚えないのは香川県人だけらしい。別に「ランチタイム」の業界用語ではない(笑)。よその人に説明するのなら「モーニングのように昼限定のサービス定食」のことである。「ランチタイムのサービスランチ」が正しいのであろうが、誰がいつから勝手に縮めて使いだしたのかは不明である。私的には標準にあわせて「本日の昼定食」で良いと思うのだが、自称タイムランチ専門家によると「いや微妙に違う」との意見もあるのでややこしい(笑)。
ここおなじみは昔からの洋食屋である。まさに「おなじみさん」重視の食堂でメニューもよくまとまっており、昼食のお客さんは好んでタイムランチを頼む。タイムランチの王道らしく定番メニューと比べてコストパフォーマンスが高い。
ここは一時、オムライスとチキンライスが評判となった店である。この二つだけは火曜と金曜日のみの特別メニュー。マスターに理由を聞くと「皆がこればかり頼むと他の料理がおろそかになって他の注文のお客さんが迷惑するから」ということだ。ああ、きちんとしているなと思った次第である。変にオムライスだけを宣伝されると、いずれはそのオムライスの店になりかねない。そうなると客層が大きく変わることになる。
昔からのきちんとした洋食屋さんである。きちんとしているということは分をわきまえて守っているのである。この店での最優先客はオムライスを食べにくる観光客ではなく、毎日来てくれるおなじみさんである。繁盛すべくして繁盛する店である。
うどんがこんなにブームになったのも製麺所さんの多くが変な野心を持たずに、毎日の近所のお客さんを大事にして安くて良いうどんを出し続けていたという素地があったからこそ。多くの人が錯覚しているB級グルメとソウルフードとの違いであろう。
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「コトデン瓦町駅横の路地にある改装間もない小さなお店 入り口右に本日のタイムランチを掲示」
コトデン瓦町駅横の路地にある改装間もない小さなお店 入り口右に本日のタイムランチを掲示
「ショーウィンドウも整然としている。」
ショーウィンドウも整然としている。
「カウンターが円形でその中で調理する完全オープンキッチン」
カウンターが円形でその中で調理する完全オープンキッチン
「町の洋食屋らしいメニュー 時間がかかるものは限定メニュー」
町の洋食屋らしいメニュー 時間がかかるものは限定メニュー
「本日のタイムランチとんかつ 580円」
本日のタイムランチとんかつ 580円
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