「世界で一番似合わない専門店」
出来て間もない新しい店であるが甚く感動したので札所に登録する。 牟岐町は徳島市から車で約2時間、県南端に近い断崖絶壁の町。といってもリゾート地でもなんでもない永らく四国の国鉄の終着駅であった田舎である(現在は甲浦まで延伸)。牟岐駅前には飲食店らしきものは2軒しかなく、その1軒はよくある古い地元の居酒屋。残る1軒がこの『バンサーバイ』なる「本格タイ料理店」である(驚)。
そもそもタイ料理専門店は四国に2軒しかないような超専門店業態。その1軒が最果ての人口4千人余りの過疎の町にあることは飲食店経営の常識からして驚異である。またこれが地元のお客さんで繁盛しているので世の中はわからない。
ガレージの奥の入り口扉を開けると、中は普通の家であり玄関で靴を脱いで入る。これまた普通の家の間取りの一室に案内される。ところがメニューはガチなタイ料理で値段は至ってリーゾナブル。その上、最もガチなのはタイの人らしき店員さんが日本語をあまり介さないこと(笑)。非常にゆっくりと易しい言葉で会話してなんとか聞きだしたことは ・オーナーシェフ以下全員がタイ国の人である。 ・もとは神戸市内でタイ式レストランを経営していたがなんらかの理由で四国に渡って開店した。 ・・・ということである。
四国に渡るのは良いが、それがまたなんでこんなところに来たのかがわからない。そのベンチャー精神は尊敬に値するが、ここまで来るともう何も考えていない無謀である。おそらく世界で一番に不釣合いな場所にあるタイ料理店である(笑)。しかしこれが地元密着で繁盛しているのである。飲食店は美味しければどこでも場所を選ばないという究極の実例である。こうなれば願わくば牟岐の新名所となることを祈願する。
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「タイ式レストラン兼タイ式マッサージの店である。都会あっても珍しい。」
タイ式レストラン兼タイ式マッサージの店である。都会あっても珍しい。
「家庭の一室にタイの装飾品が飾られている店内。」
家庭の一室にタイの装飾品が飾られている店内。
「本格的タイ料理がこの内容で900円」
本格的タイ料理がこの内容で900円
「サラダ、デザート、ドリンクももちろんタイ式」
サラダ、デザート、ドリンクももちろんタイ式
「鶏肉のバジル炒め『バットバガオ』」
鶏肉のバジル炒め『バットバガオ』
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