「幻の十円寿し」
今治地区の他の食堂のおばちゃん達に聞くと、おそらくここが今治で一番ディープな飲食店であると異口同音に答えてくれたのでその足で訪ねた。今治市街のはずれにある「十円寿し」である。「十円」といっても昔からの呼び名でしかないのであろうと高をくくってきたが、これは正真正銘の十円の寿しであった。この値段では今をときめくス●ローもかっ△寿司も真っ青である。
店内に入ると確かに寿司屋のカウンターでありショーケースには魚のサクが入っている。しかしカウンター背面に貼られたお品書きには「まぐろ」も「いか」も「海老」もなく居酒屋のつまみメニューのみ。その端っこに「十円寿司1皿250円」の札がかかっている。何の予備知識も無いままに注文すると、おばあさんが奥でもそもそと調理して出してくれたのが、写真のものである。普通の寿司の1/2のミニサイズの寿司がひいふうみいと確かに25個並んでいる。これで250円。看板に偽りなしである。寿司というよりも、このおばあちゃんの作ってくれた家庭料理である。しかし、もうこの値段になると味についてどうのこうのという気にもならない。250円で手作りの寿司を食べさせてもらって文句をいうほうが非常識である。
おばあちゃんにお吸い物を奨められたので頼んでみた。200円であるので寿司20個分の高級吸い物である(笑)。たいへん贅沢なように感じてしまい恭しく頂戴する。つみれがなかなか美味で寿司20個分の価値アリかも(笑)。
今治の漁港近くならではの寿司屋である。これは何の魚かと聞いても仕方がない。娘さんもいるようだがこのおばあちゃんが元気な限りは続けていくであろう。ある意味では今治の宝なのかもわからない店である。
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「旧国道から住宅地の小道にはいったところにある。」
旧国道から住宅地の小道にはいったところにある。
「「元」寿司屋という感のする鄙びた店内」
「元」寿司屋という感のする鄙びた店内
「壁面のメニューには確かに1個10円 しかし一皿250円とは?」
壁面のメニューには確かに1個10円 しかし一皿250円とは?
「これが十円寿司 一皿250円。確かに25個入りである。醤油は刷毛でまとめて塗る。」
これが十円寿司 一皿250円。確かに25個入りである。醤油は刷毛でまとめて塗る。
「お吸い物き200円。つみれが意外と美味しい。」
お吸い物き200円。つみれが意外と美味しい。
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